先祖供養 春日大社|ご先祖様を供養できる、全国でもまれな神社【神社 聖地への旅】

<古神道を学びながら、全国の神社をご参拝しています>

奈良の春日大社で、ご先祖様を供養する「祖先祭」をして頂きました。

通常、「先祖供養」というとお寺で行うものをイメージすると思いますが、実際、神社で(神前で)先祖供養ができるのは非常に珍しく、春日大社では「祖霊祭」と呼んでいます。

神様へのいわゆる「ご祈祷」とは違う専用の祭場で、いつでもお願いすることができます(大きなご神事の時を除く)。

効果は絶大と言われています。

先祖供養とは

春日大社のHPには以下のように記されています。
「春日の大神様は古くより現世はもちろんのことあの世にも絶大なるご神威を発揮される神様として厚く信仰されてまいりました。この広大無辺なご神威におすがりしてご先祖様のあの世での安楽をお祈りし、子孫の幸せをお願いしているのが当社の祖先祭です」

代々の老舗や格式ある家柄でもない限り、通常、三代以上遡ると、どういった方々が自分の先祖にいたのか知らない人がほとんどではないでしょうか。

ご先祖様はそのご存在に気がついてもらえると、大変喜ぶともいいます。

春日大社では、ご先祖様の名前(家名でも個人名でも可)を霊札(たまふだという木のお札)に記して神前に捧げ、ご先祖様のために祝詞を唱えていただけます。

これを「祖霊祭」と呼びます。春日大社での正式名称は「祖先冥福向上祈願」です。

祖霊祭の流れ

1.御祈祷所に祖先祭のお願いをする前に、可能な限り、春日大社の神様達(本殿、摂社・末社等)をご参拝し、ご挨拶します。見えない世界ではまず神様、次にご先祖様です。

順番を違えると、ご先祖様も居心地が悪いです。

 

2.神様へのご参拝が済んだ後、ご祈祷受付で「祖先祭」をして頂きたい旨をお願いし、申込書に記入します。

申込書には供養したいご先祖様の名前(個人名)や家名(何々家)を記入します。今回は苗字がわかっている父方・母方四家と1名をお願いしました。

個人名のときは、その方が亡くなった場所や日付を書く方がよいので、できるだけ調べてみましょう(霊界にいる個人の霊を特定しやすいためだと思います)。

 

3.霊札と祭場の準備が整うと、ご神職さんが迎えに来てくれて、祖先祭場へお連れくださいます。

私が行った日は、七五三を祝う着物姿のちびっこ達でいわゆる御祈祷は賑わっていましたが、祖先祭は私だけです。祈願者の私一人に対し、ご神職さん2名でご祈祷を行ってくださいます。

 

4.太鼓が響く中、修祓、お祓い、祖霊拝詞(祖先に対する感謝の詞)、大祓詞奏上、焼香、退下と、御祈祷の儀式が続きます。

 

5.祖霊拝詞はご神職さんが唱えてくださいますが、大祓詞は祈願者も一緒に奏上させて頂けます。

こんな機会、滅多にありません!

私はかつて、春日大社の故・葉室頼昭宮司の祝詞CDで大祓詞を覚えました。また春日大社の「巫女修行」に参加させて頂いたり、ご神職さんの祝詞の講義を受講させて頂いたりしていますので、こちらのご神職さんと一緒に大祓詞を唱えるのは大変嬉しいことでした。

いつまでもいつまでも続いてほしいと思う時間でした。

もちろん祝詞を知らない人でも、「神拝詞」(祝詞が書かれた紙)を見ながら唱えることができますので、何の心配もいりません。

6.大祓祝詞奏上の後、お神酒を頂いて終了となります。

この後は、ご祈祷頂いた霊札を持ち帰り、自宅にてお参りすることになります。

自宅でのお参りについて

「神拝詞」には、自宅でのお参りについて、次のように記されています。

「神様のお参りを行ってからご先祖さまのお祭りを致します。くれぐれも順番を間違えないように注意してください」

神様の御札とご先祖様の霊札は、決して一緒にはおきません。霊札は神棚よりも低い、清浄な場所に、且つ神棚と向かい合わせにならないようにおきます。

仏壇がある家は仏壇に。ない家は床の間や人が集まる居間にお祭りします。

そして、平素は「大祓祝詞」を唱えます。

手順は「二拝・二拍手・大祓祝詞・二拍手・二拝」。

春日大社での経験と、ご先祖様への思い

この、とても珍しい神社での祖先祭を私が知ったのは、数年前に春日大社で「御巫(巫女)修行(みかんこ修行)」をさせて頂いたときです。

「御巫修行」は春日大社に二泊三日、寝泊まりしながら行います。

本物の巫女さんと同じ巫女装束を身につけて、巫女の体験を通して行儀作法や伝統文化を学びます。朝6時から夜の7時過ぎまで、ご神職さんや巫女さんと一緒に、神様にご奉仕させて頂きます。

その際、霊札に自分で家名を書いて、祖先祭を行って頂く機会がありました。その体験があまりにも印象深かったため、改めてお願いしたいと思っていました。

今回自宅を出るときに、ご先祖様に「これから祖先祭をしに春日大社へ参ります。志の高いご先祖様、どうぞご一緒に奈良へ参りましょう」とお声がけしました(これ、格式の高い神社へご参拝するときにされるとよいですよ)。

たくさんのご先祖様が共にご参拝されたかもしれません。そのためか、お祭りの間は胸が一杯でした。

私がお願いした四家だけでもものすごい数のご先祖様がいて、その先頭がいま生きている自分です。そう思うと、本当に「生かして頂いてありがとうございます」という気持ちになります。

祖父母より先はお会いしたことのないご先祖様たち。

単純な計算では10代遡ると1,000人以上のご先祖様がいることになり、しかもそれは江戸時代の話。流行病や飢饉で一人でも亡くなったりしていると、現在の自分はいないことになります。

日本は今、ひどい疫病も飢饉も内乱も戦争もない、平和が長く続いている時代です。そんな時代に血を引き継いでくれたご先祖様達に、感謝いっぱいの一日でした。

この記事を書いた人

ひいらぎ

ひいらぎ

"ひいらぎ"と申します。

東京在住。

小さい頃からSF、タイムトラベル、異次元、吸血鬼、輪廻転生など、見えない世界、異質な世界にとても興味がありました。

現在は、古神道を学びながら、全国の神社をご参拝しています。