年に1度は必ず “高知県に行きたい病” にかかります。
その理由の1つが「高知オーガニック市」
2008年に始まった、日本で初めて、毎週土曜日開催の「完全オーガニック」の野外マーケットです。
土曜日に「オーガニック市」に行き、日曜日に「日曜市」を訪れて、連チャンで“高知のおいしいものを食べ、お買い物三昧する”、というのが、オススメ高知旅です。
2008年、「高知オーガニック市」は日本で唯一の定期開催を始めました。出店の基準はとても厳しい
最近は全国各地でオーガニック市が開催されていますが、毎週土曜日、定期開催しているのは、ここが初めてです。
出店基準が大変厳しいため、来場者は安全で人工的でないものを、疑うことなく買うことができます。
朝8時発の「MY遊バス」で、会場の「池公園」へ
開催場所は「高知県立池公園」。
高知市内から車だと20分ちょっと。
観光客は「MY遊バス」を利用すると、39分で「住吉池前」に到着。下車してすぐです。
オーガニック市は毎週土曜日、朝8時から開催。毎回40~50店舗が並びます
代表世話人・広弘瀬純子さんのがんばりと、ユニークな試み
「オーガニック市」代表の弘瀬さんがこの市を立ち上げたのは2008年。ちょうど10年前です。
もともと高知には300年以上続く「日曜市」があり、現在も観光客で大人気ですが、弘瀬さんはそこで有機の野菜や果物を売っていたそうです。
やがて固定客が増えていき、オーガニックへのニーズの高まりを感じたため、一念発起して、「オーガニック土曜市」を立ち上げました。
最初に事務局に立ち寄ってみました。
ユニークな試みをたくさんしています
廃油回収や就農相談窓口、子供服のリサイクル
回収した廃油は、ディーゼル車の燃料になるそうです。
自分がどこから来たか、来場者が記入する黒板があります
朝イチなのでまだ少なめですが、お昼頃には結構な数になっています。以前に比べ、最近は遠方からの来場者が多いとのこと。
人気のものはすぐ売り切れるので、見つけた瞬間に即ゲット
ほしいモノを見つけても、まだ大丈夫だろうと思って「まずは1周」なんて考えていると、次に来た時にはもう売り切れ、ということがザラです。
滅多にない旅行なので、「ほしいものは即買い」が原則です。
野菜、果物、菓子、パン、惣菜、加工食品、クラフト・・・。出店者さんと素材や調理法などについて、とにかく会話する
☆愛媛県の「木もれび庵」。天然酵母のパン屋さんです。
店主の濱田さんは、平成7年に大阪から愛媛県の松野町にIターンしたそうです。松野町は移住者を応援している町。
こちらのカリポリスティックは超オススメ。
たとえば「にんじん味」は、水分はにんじんしか使っていないそうです。ワインのおつまみにまとめ買い。
全てのお店がこのように、材料名、仕入先、製造元などを細かく表示しています。
☆大好きな無添加じゃこ天の「桂フーズ」さん。
四国ではあちこちでじゃこ天を買えますが、どの製品も添加物が多くて・・・。
こちらは完全無添加です。右はシンプルなじゃこ天。左側はネギ入りと生姜入り。こちらもまとめ買いです。
お魚のフライもたくさんありますが、どんどん売れていきます。
「はもの天ぷら」たくさん入って350円。
実は数年前、初めてここに来たとき、「たくさんありそうだから後で買おう」と思って、買わずにいったん通り過ぎました。会場を2周くらいプラプラして再び訪れたら、なんとお昼前なのに、全て売り切れ。
大失敗でした。
なので今回は、即買いです。
この話しをお店の人にしたら、「あら~、それは申し訳なかったわね。早い時は早いのよ~」と仰っていました。
本当に、ひっきりなしにお客さんが買っています。
☆「珈琲屋のんちゃん」
この日は気温が高く、朝からずっとアイスコーヒーが飲みたかった。いつ来ても、こちらのお店は一番手前の角にあります。
水出しアイスコーヒー300円。
暑いから中に入って~と言ってくれたので、お店の中の日陰で頂きました。
☆野菜農家さんのお店で手打ち10割そば
こちらは農家さんですが、お野菜より、「手打ち10割そば」という方に目がとまりました。
おじさんが自分で打ったおそばだそうです。
そば粉10割、つなぎのグルテンも一切なし。こちらもどんどん売り切れていくので、2パックお買い上げしました。
にんにくも安かったので購入したら、たくさんおまけをしてくれました。
「野菜は、生産農家が直接販売する」というのがここのルールなので、有機野菜はスーパーなどに比べ、かなり安く販売されています。
おそばの横にびわも並んでいました。今年は豊作だそうです。
☆高知県大豊町の「桜農園」さん
ご婦人たちがおしゃべりしているお店で梅干し発見。
聞くと、こちらの梅干は高知でも標高高いところで作っているそうです。無農薬の梅干200gが税込み380円。安い!
梅干は自分でも漬けますが、大好きなので、無農薬が売っていたらすぐ買ってしまいます。
☆香川県の「喫茶らくだや」さん。天然酵母のパンを扱う喫茶店です。
いつも開店が少し遅めという「らくだや」さんは、大人気のパン屋さん。おじさんがパンを運んでくると、待ってましたとばかりに、次々と購入する人が訪れます。
普通のクロワッサンと、バターを使わないベジクロワッサンがありました。
ココナッツオイルでどのようにクロワッサンの層を作っていくのかを伺いました。
豆腐、豆乳、ココナッツオイルでペーストを作り、それをパン生地に練りこんでいくのだそうです。
普通のクロワッサンは、自分で作ってみればわかりますが、恐ろしいくらい大量のバターを生地に練りこみます。「えっ?バターの分量、間違ってない?」って思うくらい、大量です。
なので普段はまず食べませんが、ベジクロワッサンは罪悪感なし。
こんなにおいしそうな層ができています。しかもパリッとザクっと!
220円は都会では買えないお値段です。
とってもおいしかった。もっとたくさん買ってくればよかったと、大後悔。
今回「らくだや」さんで購入したパンです。
左上から時計回りに、ドライトマトのパン、豆乳クリームパン、くるみパン、ベジクロワッサン2個、さつまいものベーグルです。
「らくだや」さんでは、「ドラム缶オーブンの焼きたてピザ」というのを実演販売します。
しかしおじさんはとってものんびり準備をされていて、11時半すぎてもまだ作り始める様子がなかったので、今回はあきらめました。
お話だけ伺うと、会場内のお店から味噌や野菜、桂フーズのじゃこ天などを購入し、それで今日のピザを作る予定だそうです。あーおいしそう。
おなかがすいてきたので、そろそろランチを考えます。
ベジタリアン弁当を買いたかったのですが、この日はお弁当・お惣菜系の出店が少なくて、11時にはもう売り切れでした。
やっぱり朝一番に買っておかないとダメのようです。
☆「CASCINA IL CHICCO」(カッシーナ イル キッコ)さん
古代小麦(スペルと小麦)と天然酵母を使ったフォカッチャのお店。植物性の材料のみを使用。
旦那さまはイタリア人です。
カッシーナ イル キッコとは、キッコ農園という意味。キッコというのは、「穀物の一粒」を表すそうです。
「まるごと季節野菜とお豆の重ね煮スープ」もあります。皮をむかないまるごとお野菜を重ね煮し、魔法瓶でゆっくり柔らかくした発芽レンズ豆とあわせているそうです。
とても美味しそうだったので、こちらをランチにいただくことにしました。ほんのりカレー味です。
☆「旬菜料理つきみ」さん
こちらでは、焼き鯖寿司を調達しました。スープと一緒に、ベンチに座っていただきます。
公園なので、あちこちにベンチがあります。
☆高知県土佐山田町の「わたなべ農園」さん
こんなにかわいいニンニクのディスプレイ。初めて見ました。
「どの子がいいですか?」と聞かれています。
☆「アジア麺あまくま屋」さん
☆「青山農園」さん
柑橘類農家さんです。
100%のポンカンジュースと夏文旦ジュース。
「酸っぱい方をください」と言ったら、「じゃあ夏文旦だ」と言って、ついでくれました。
甘酸っぱい初夏の味。
その他にも、自然あふれるお店がいっぱい。
☆グアバピューレジュース
☆「牧工房」さん
自家製勇気ハーブ製品。シャンプーやマッサージオイル、虫除け、クリームなど、いろいろ。
☆「MINTスタイル」さん
☆絵本屋さん
☆「山の石けん屋」さん
たくさんの出店者さんとお話して、あっという間に3時間経ちました。
☆番外編:今回未出店だった「Lei Lehua Lani」さん
今回は出店されていなかったのですが、私が大好きなベジお弁当&お惣菜&スイーツのお店、「Lei Lehua Lani」さん(RISTROから改名)を紹介しておきます。
残念ながらこの日はほかの用事があって出店できないとのことでしたが、ほぼ毎週、出されています。
こちらは数年前の写真ですが、大変魅力的なオーナーさん。ちょっと刺激的な雰囲気ですが、お話するととても丁寧で素敵な方です。
毎週、たくさんのお弁当、お惣菜、スイーツを作って、愛媛から出店されています。
ハウス野菜は売らない。露地物だけ、がここのルール
歩いていて、「あれ?どこにもトマトが売ってない!」と気が付きました。
梅干を買った桜農園のお母さんに聞いたところ、
「いま日曜市やスーパーに出ているのはみんなハウスもの。ここは厳しくて、ハウスものは出せないのよ。露地物のトマトはまだできてないから、ここでは売ってないわよ」とのこと。
なるほど、ここでは露地物しか扱えないのですね。
「高知オーガニック市」は、厳しい自主基準を設けています。実際、この基準にを満たせず、出店をあきらめる生産者もいるそうです。
加工食品は仕入先リストを、また農作物は種子や苗等の栽培履歴の用意が義務付けられています。
使用する調味料は昔ながらの製法のものに限定。
クラフトは自作のみで、仕入れ販売は禁止、などなど。
弘瀬さんは、以前雑誌のインタビューで、「売りつつ学び、買いつつ学ぶことができる貴重な場」と述べています。
ここに限らずですが、出店者側も購入者側も、何が一番自然で、無理がなく、どうすればお互いが気持ち良い心地・生活となるのか、こういうマーケットが考える場となればいいなと思います。
夏場は正午までです。マイバッグ持参で!
高知は南国。夏場は大変暑くなるので、7-8月は開催時間が正午までとなります。その他の季節は午後14時まで。
訪れる際は、マイバッグ持参をお勧めします。
名残惜しいですが、そろそろ次の目的地へ移動します。
再びMY遊バスに乗って、「高知県立牧野植物園」に向かいます。
<高知一人旅 続く>