神様に会いにいく旅~京都・ぼーっとできる場所。神殿造と書院造が共存する国宝住居。それを囲む重森三玲3つの枯山水

<古神道を学びながら、全国の神社をご参拝しています>

東福寺の一角にある『龍吟庵』。建物は国宝に指定されており、年二回、春と秋だけ一般公開されます。

元は『南禅寺』を創建した大明国師(無関普門)の住居で、国師の没後、東福寺の塔頭とされました。この国宝住居を囲むのが、昭和の大作庭家・重森三玲が作った、龍が大海から渦を巻いて出てくる様子を表した枯山水の庭です。

龍吟庵は、公家の寝殿造と武士の書院造の両方を兼ね備えているのが特徴です。例えば神殿造の特徴である跳ね上げ式の重たい障子「蔀戸明障子(しとみどあかりしょうじ)」が、部屋を細かく仕切り複雑な構造を持つ書院造の部屋に配されています(建物自体は国宝で撮影禁止のため、写真に撮れません)。

その国宝の住居三方をぐるりと囲んでいるのが、昭和39年に重森三玲作が作った枯山水、すなわち南庭「無の庭」、西庭「龍の庭」、東庭「不離の庭」です。

最初に現れる南の「無の庭」は、名前のごとく何もない白砂だけの世界です。西の「龍の庭」との間を仕切っている竹垣には稲妻が表現され、白光の静かな世界の裏で、今まさに龍が現れようとしていることを示しているかのようです。

次に現れる西庭「龍の庭」は、「龍が海中から黒雲を得て昇天する姿を、石組みによって表現している(龍吟庵資料より)」世界です。
大きな青石3つで龍の頭(角と口・鼻先)を表し、体は渦を巻いて大海(白砂)と黒雲(黒砂)の中に見え隠れして、ものすごい迫力で迫ってきます。生きている庭、という感じがします。

最後に現れる東庭「不離の庭」は、敷きつめられた赤砂が目を引く庭。中央に大明国師を表す丸い石、その前後に国師を守る二頭の犬を表現した白と黒の細長い石、そして周りに配された複数の石が国師を狙う狼とのこと。国師幼少の頃の故事にもとづいて作庭されたそうです。

こちらの庭も年に二回、一般公開の時にのみ観ることができ、建物と庭、廊下に掲げられた足利義満直筆の額についてなど、説明員の方が詳しく説明して下さいます。

国宝の縁側に座って昭和の鬼才の庭を眺める。京都といえどもこんな贅沢はなかなか見つかりません。公開は毎年3月と11月なので、その機会に京都へ旅する際は、ぜひ隣の光明院と合わせて立ち寄られてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

ひいらぎ

ひいらぎ

"ひいらぎ"と申します。

東京在住。

小さい頃からSF、タイムトラベル、異次元、吸血鬼、輪廻転生など、見えない世界、異質な世界にとても興味がありました。

現在は、古神道を学びながら、全国の神社をご参拝しています。