結神社(むすび神社)・虎ノ門は良縁祈願で人気。でもご祭神がわからない謎の神社|神社 聖地への旅

<古神道の勉強をしながら、全国の神社をご参拝しています>

東京虎ノ門にある金刀比羅宮(ことひらぐう)。通称こんぴらさん。

その一角に、「結(むすび)神社」という小さな末社があります。

この「結神社」、昔から良縁祈願する女性が訪れているそうです。
しかし、実はご祭神も縁起も、定かではありません。

そこでご神職さんにいろいろ伺ってみました。

結神社の神様は、実はわかっていない

「結神社」、ちょっと不思議な感じがしたので、社務所の方にいわれを伺ってみました。

「結神社」も「金刀比羅宮」同様、丸亀藩の邸内社ですが、祀られている神様もいわれも、よくわからないとのこと。

昭和や平成に何度か行われてきた神様の遷座の際、丸亀藩邸内社の三社、すなわち「金刀比羅宮」「結神社」「喜代住稲荷神社」共に、御神体はもちろん確認されています。

しかし「結神社」の神様がどなたなのかは、いまだにわからないまま。

そもそも「金刀比羅宮」は、太平洋戦争で資料や宝物の全てを消失しているため、詳しいことは何もわからないのです。

もともとは、「結(むすび)神社」ではなく、「産日(むすひ)神社」

「産日」を「結」の字に改めたのは、意外と新しく、2004年の遷座の時(虎ノ門琴平タワー竣工時)。

「むすひ」というのは、神道では大変重要な観念・言葉です。

むすひは、神道における観念で、天地・万物を生成・発展・完成させる霊的な働きのことである。産霊産巣日産日産魂などの字が宛てられる。

wikipediaより

意外なことに、「産日神社」という神社は、日本中探してもほとんど見当たりません。

神様に詳しい方なら、「産日」という漢字、あるいは「ムスヒ」という音から、造化三神高御産巣日神(たかみむすひのかみ)と神産巣日神(かみむすひのかみ)を思い浮かべることでしょう。

しかし、つながりはわかりません(そのくらいのことは、神社側も十分調べていることと思います)。

縁結び祈願は、江戸~明治の女性たちが行っていた伝統的な祈願

『新撰東京名所図会』という、明治初期~中期に編纂された資料があります。

そこには、当時の女性たちが自分の黒髪や折り紙を持参し、「産日神社」の格子や木々に結んで良縁を願い成就させた、との記述があるそうです。

平成の遷座の際、神社の名を「産日」から「結」に改めると同時に、この「良縁祈願」という伝統も復活させたとのこと。

推測ですが、良縁祈願を復活させるために、より現代人にわかりやすいように、神社の名前も「結」の文字に変えたように思います。

丸亀藩の邸内社時代、金刀比羅宮は、毎月10日のみ社殿を解放し、一般の人がお参りできるようにしていました。
女性たちも月に1日、ここを訪れ、良縁を祈願していたことでしょう。

こちらの神社は、あまり念を込めず、軽やかにご参拝するのが良いような気がします。

この記事を書いた人

ひいらぎ

ひいらぎ

"ひいらぎ"と申します。

東京在住。

小さい頃からSF、タイムトラベル、異次元、吸血鬼、輪廻転生など、見えない世界、異質な世界にとても興味がありました。

現在は、古神道を学びながら、全国の神社をご参拝しています。