神様に会いにいく旅~京都ぼーっとできる場所。円通寺、比叡山の借景で完成する美しい庭

<古神道を学びながら、全国の神社をご参拝しています>

「私が何時間でもぼーっとしていられる場所は圓通寺(えんつうじ)です」と仰る方にお会いしたので、訪ねてみました。

圓通寺は臨済宗妙心寺派の寺院で、その庭は、後水尾天皇が石を配された枯山水です。遠くに比叡山を望み、その比叡山あってこそ完成する「借景(しゃっけい)」という技法が取られた、大変美しい庭です。私は借景の庭を初めて見ました。

圓通寺はもともと江戸時代初期の後水尾天皇の別荘で、幡枝離宮(はたえだりきゅう)と呼ばれていました。

京都の北、多くの貴族の隠棲地であった岩倉に位置していますが、比叡山を最も美しく眺められる場所はどこか、天皇自ら長い年月をかけて探してたどり着いた場所と言われています。

よって現代でも交通が不便です。車がない方は、地下鉄「北山」駅からタクシーを使われることをお勧めします(7~8分。タクシー会社の電話番号がお寺にありますので、帰りは呼んでください)。

交通の便が悪いこともあり、市内が賑わう紅葉の季節でも、比較的ひっそりとしています。しかし訪れた人は皆、長居しているように感じられました。それはやはり、この庭の美しさに魅せられて、体も心も動けなくなるからでしょう。静かに座っている人が多いのが、印象的でした。

しかし歴史が深い京都にも開発の波は押し寄せており、圓通寺も、寺と比叡山の間に広がる市街地が、庭の生垣によって巧妙に隠されています。

京都市は圓通寺など京都の歴史ある景観や自然を開発から保護するため、2007年に「京都市眺望景観創生条例」を定め、新たな建築物の高さや色、デザインなどについて規制を設けました。

2007年って結構最近です。そこに至るまでには、「モヒカン山」として有名になってしまった岩倉五山の「一条山」のように、開発の犠牲になった景観もたくさんあったはずです。

実は圓通寺の庭は以前は撮影禁止だったそうですが、景観破壊に対する危機感を覚えた住職が、2002年に撮影を解禁したそうです。いずれこの美しい借景の庭は見られなくなってしまうので、景観が保たれているうちに一人でも多くの人に見てもらいたい、と思ってのことだったそうです。

それにしても京都に来ると、天皇や公家の人々の、美への探求に驚かされることがたくさんあります。

この記事を書いた人

ひいらぎ

ひいらぎ

"ひいらぎ"と申します。

東京在住。

小さい頃からSF、タイムトラベル、異次元、吸血鬼、輪廻転生など、見えない世界、異質な世界にとても興味がありました。

現在は、古神道を学びながら、全国の神社をご参拝しています。