本の時間|『30日間、食べることやめてみました。「不食」という名の旅」 榎木孝明

この本は、榎木孝明さんが不食で過ごした30日間、フェイスブックで毎日アップした記録をまとめたものです。

30日間の体と心の状態や仕事の様子をはじめ、不食チャレンジに至った理由、ものの考え方、これまで取り組んできたことや役作りへの姿勢なども語られています。付属のDVDでは古武術に励む様子や、出張で東北にいくアクティブな姿を観ることもできます。

フェイスブックに寄せられた質問にも丁寧に回答されています。例えば

・榎木さんの健康法を教えてください。
・不食をしていると人づきあいに困りませんか
・不食を始めると、排泄はどうなりますか。
・栄養補給のため、ビタミン剤などもとったほうがよいのでしょうか。

などなど

この本を読んで最初に思ったのは、榎木さんは「人間の固定観念をはずす」ということにとても興味があるのだなということ。

30日間食べないということはもちろん、不食終了後の最初の食事がお粥ではなく、敢えてイタリアンにしたことなど、その最たるものだと思います。

榎木さんが昔から精神世界にとても興味をもたれていたということを、この本から知ったのですが、毎日金縛りにあって辛かった時、逆転の発想をしてみたら幽体離脱できたというエピソードや、今回の不食でパラレルワールドを体験できることを期待していたなど、見えない世界が好きな人には興味津々のネタも盛り込まれています。

また、不食中は感じなかった腰痛が、不食が終わって2週間後にまた戻ってしまったエピソードは、私自身も似た体験があります。

かつて「七号食」というトライをして10日間玄米と塩以外だけで過ごしたとき、5日目くらいから肩こりや背中のきしみがどんどんなくなっていきました。7号食が終わって徐々に普通食に戻し、体に糖分やらいろいろな栄養が入り始めたときから、てきめんに肩こりが戻りました。食べ物が体に及ぼす影響を実感した体験でした。
(七号食とは、マクロビオティックの創始者である桜沢如一氏が提唱した、10日間玄米のみですごす半断食による健康法)

不食を人に勧めるでもなく推奨するでもなく、修行僧でもない普通の人間がこんなこともできるのだと、ただ体験してみせただけの榎木孝明さん。

「自分を大事にすることと、欲に目がくらんでしまうことの間で、私たちはいつも揺れています」とした上で、「とすれば、そうやって迷い、揺れ動くこと自体を楽しむしかない。そう覚悟を決めればよいのではないでしょうか」と述べています。

何事もどんな状況も、そうなったらなったで楽しむしかない、ということでしょう。

ちなみにフェイスブックへの質問、「榎木さんの健康法を教えてください」の答えは、「規則正しい生活をしないことです」から始まります。

柔軟性も学べる1冊です。

この記事を書いた人

ひいらぎ

ひいらぎ

"ひいらぎ"と申します。

東京在住。

小さい頃からSF、タイムトラベル、異次元、吸血鬼、輪廻転生など、見えない世界、異質な世界にとても興味がありました。

現在は、古神道を学びながら、全国の神社をご参拝しています。